理事長所信

Belief

はじめに

新しい社会をリードする人材育成を目的として、1915年にアメリカで産声を上げた青年会議所は、目的に沿った運動を幾度となく行ってきました。その中でも日本青年会議所は 「修練」「奉仕」「友情」の三信条のもと、より良い社会づくりを目指し、社会的課題に果敢に取り組んでいます。2020年から始まったコロナ禍も例外ではなく、各地で様々な運動が展開されてきました。私たちの生活に多大な影響を与えた新型コロナウイルスも落ち着きを見せ始めコロナ禍以前の運動規 模を実施するLOMも増えてきています。しかし、コロナ禍前の運動をこれまで通り行うことが最適解なのか、現状のLOMの状況や地域の状況に求められていることなのだろうかといま一度考える時期なのではないでしょうか。社会はDX化により効率化され、気がつかぬ間に私たちの生活はAIによって成り立っている部分が多く存在しているにも関わらず、AIによってもたらされるネガティブな側面が取り沙汰されることが 多くあります。一方青年会議所は効率的とは決して言えない様々なルールのもと運動展開を行っています。考え方によっては「時代遅れ」と捉えられる可能性がありますが、私はそのように思いません。多くの青年会議所は事業計画となる議案を作成し実行と反省を繰り返していきます。一企業や団体であれば実行し改善していくといったスピード感を持った運動展開がトレンドになりつつありますが、本質を見失っていると 手法を変えても良い成果を生み出すことにはつながらない可能性が高く結果として遠回りしてしまいます。私はここにこそ青年会議所の強みがあるのではないかと考えています。 非効率と思われる議案や会議のなかに一般企業や社会では得ることが難しい本質を考える力が生まれグロースマインドセットこそが青年会議所で得ることができるかけがえのないものとなります。また、AIが発達し差別化されにくいいまだからこそ人と人のつながりが大切な時代がはじまったのではないでしょうか。

現代は様々な課題が山積しています。人口減少や経済低迷、エネルギー問題、ジェンダー問題など見る視点を変えると様々な問題があり、なかでも北海道は課題先進地域と言われ続けています。しかし課題があるということは私たち青年会議所が活躍する場が多くあるとも言えます。地域の課題に対して真摯に向き合う組織として先導を切りムーブメントを起こしていくことが地域を豊かにしていくのではないかと私は考えます。最初の一歩は小さな波かもしれませんが、メンバー一人ひとりが同じベクトルでエネルギッシュに運動展開することで大きな波となり変化が起こると信じ、青年らしく理想を掲げ前に進んでいきましょう。

地域に影響力を持たせる人財育成

青年会議所の最大の特徴は年齢制限があるというところです。20歳から40歳といった年齢制限により若さ溢れる運動展開をし続けることができます。自己の成長につながる修練 修練によって得た力で行う奉仕、修練と奉仕をやり抜く支えとして友情が存在します。私たちはこの3つを常に胸に刻み 運動していますがその基盤となるのは若さに他なりません。 若いメンバーが集い熱い想いを理想に掲げ邁進していく。 人は誰でも一人では不安に感じ躊躇してしまいます。しかし 私たち青年会議所のメンバーは同じ志を持ち地域を豊かに するといった同じ目的に向かう仲間です。三信条を実行していく基礎作りによって先のJCライフが大きく左右されるといっても他なりません。自分一人では乗り越えることができない壁 でも仲間と一緒であれば乗り越えられる。そんなかけがえのない仲間と共に自らの成長へつなげていきます。

ムーブメントを起こすまちづくり

北見青年会議所は地域協働によって行ってきた事業があります。しかし時代の変化とともに地域協働の本質を見失ってしまっていないだろうか。事業を行うために地域協働を謳ってしまってはいないだろうか。地域協働とはなんなのかをいま一度考えアップデートしていくことこそ青年会議所には求められています。変化する時、なんらかのハレーションは起きてしまいます。しかし、運動を行う私たちが本質を見失わず突き進むことで新たな波を生むことができる。地域に求められる運動はなんなのかを根本に置き新たな時代を創るきっかけになる基盤づくりをしていきます。

地域に活力を生む人財開発

子どもは地域の宝である。そんな言葉を一度は耳にしたことがあると思います。この地に生まれ育ち地域が創られていく=未来を担っているといったことになるかと思います。様々なことが学びやすい時代になった反面何を学べばいいのかわからない時代ともいえるのではないでしょうか。ローカルだから学ぶことができること、グローバル時代だから学ばないといけないことを考え、青少年に伝えるだけではなく、私たちも共に学び共に成長していく必要があります。あらゆる困難に立ち向かう心と視野を広く持ちチャレンジする心を育む人財開発こそ地域に希望をもたらすと信じ歩んでいきます。

本質を捉える自己啓発

青年会議所の存在意義として大きな役割を果たしているのは研修であると私は考えています。三信条にもある通りまずは修練、自己啓発を行うことが必要不可欠です。この自己啓発は決して青年会議所運動に限ったことではありません。 私たちはそれぞれの企業に属しており企業が繁栄するからこそ青年会議所運動ができます。青年会議所内で学んだことを自社に還元し、企業が繁栄する、さらに青年会議所内の 学びを得るといった循環を行うことが結果として地域を豊かにすることにもつながります。青年会議所のスケールメリットを最大限利用するためにも本質を捉えることできる人財へ成 長できる自己啓発を行っていきます。

理想から創る組織へ

当たり前の反対語は有り難いです。私たちは組織内にいるからこそ見えていないことが必ずあるはずです。当たり前と考えず疑問に感じることが必要です。多様性を求めると片方が妥協する結論を出してしまうといったことが起こりがちですが、本当にその選択は多様性を受け入れた世の中なのでしょうか。私はそうは思いません。それぞれ育った環境や置かれている環境が違ったなかで求めることが異なるのは当たり前です。誰かが我慢するのではなく誰もが活躍しやすい環境づくりを求め続けることが本来の多様性なのではないでしょうか。歴史や文化を尊重しながらも障壁になっている部分 があればそれについて議論していく。有り難い組織に変革するために、それぞれの声を真摯に受け止める。そのことが結果として組織の拡大につながり、より力強い運動につながります。決して諦めることなく組織変革を行い同じ志をもった仲間を増やし続けるといった強い想いをもち会員拡大に努めてまいります。

時代に即した組織づくり

北見青年会議所は公益法人格を取得してから10年が経ちました。公益社団法人として、健全な財政、財務を務め、 コンプライアンスを遵守し規律ある組織運営を行ってきましたが、時代に合った私たちの活動や運動に適した法人格として適切なのかをいま一度考える時期を迎えています。

共感から生まれるブランディング

青年会議所は広報が上手くできていない。私はこれまでこの言葉を幾度となく聞いてきました。ではなぜ広報ができないのかをしっかりと考えているのだろうか。前年踏襲をするのではなく、情報社会のなかで自分たちが伝えたいことを伝えたい人に届けるためには何が必要なのかを一つ一つ丁寧に行う必要があります。共感を生むことは決して簡単なことではありません。だからこそ一つ一つの発信に注意を払い自らが行っている手法が適切なのかを検証し、環境に適した手法を常に模索していきます。

出向で学びを得る

大きな学びとして出向の機会があります。日本青年会議所、および日本青年会議所北海道地区協議会など、多くの機会が用意されています。他の青年会議所のメンバーと共 に同じ目的感をもち運動を行うことは、LOMのみでは得ることのできない経験になり、自分の視野を広げるきっかけとなります。広い視野で地域課題に取り組む力を養うことは人的 ネットワーク構築と個の能力の向上につながり、その経験をLOMに持ち帰ることで、他地域の良い側面を取り入れた力強い青年会議所運動となる可能性を秘めています。

結びに

私がこれまで青年会議所運動を続けてこれたのは多くの先輩、そして仲間がいたからです。頑張るのをやめずに続けることができるのも才能、かっこよくなくてもいいといった言葉をある先輩にかけていただきました。それぞれ得意不得意があり環境も違う。そんななか利害関係なく同じ目的に向け突き進むこの青年会議所という素晴らしい団体に属していることに私は誇りをもっています。誰もが誇りをもって所属できる団体に向けてそれぞれの理想を諦めずに語ることができる場を創りたい。それが無謀だとしても挑戦し続けることで見える世界があるはずです。あらゆる変化が起きているいまだからこそ青年会議所が必要だと私は強く感じています。常識を疑い本質を見抜ける人財へ共に歩みを進めよう。

諦めず理想を求める
自らの成長が地域を変える一歩となる

基本方針
Basic policy
理想を追い求め
地域に希望を生み続けよう
  • 夢を叶える人財育成
  • 誰もが活躍できる地域創造
  • 活力溢れる地域創造
  • 持続可能な組織基盤